北山杉レーシングのブログ

KUCCシクロクロスチーム「北山杉レーシング」のブログです

20-21関西CX#9 希望ヶ丘C1 レースレポート

はじめまして.笛木16です.

シクロクロスを始めて早4か月,ありがたいことにC1を走らせてもらっています.

希望ヶ丘のレースを振り返るついでに公開します.

 

 リザルト

7位/12%

+3:17←沢田時選手が速すぎる.

松井さんに身に余るお褒めを頂いた.全日本出ます(決意).

前日試走

 試走の目的は大きく2つある.

 最大の目的はコースを覚えてしまうこと.曲がり角の減速度合い,降車ポイント,ライン取り,抜くスポット,踏む場所と踏まない場所等々,レース中に頭を使わないように準備をする.今回は沢田時選手が来ていたので,後ろで勉強させてもら(おうとしたが当然ついていけるわけがなか)った.

 そしてシンプルに練習と勉強.キャンバーやくねくねした曲がりは,日常のサイクリング経験で練習する機会が少ない.転ばないことと減速しないことは違う.自分より上手い人が,惜しげもなくスキルやラインを見せてくれるCX会場は貴重だ.難所でしばしば発生するライン取りの議論に首を突っ込めば,勉強になること間違いなしである.今回はエリートコースにそういう場所があったが,あまり苦労しなかったこともあってスルーし,コースの記憶を優先した.というかそもそも,C1のレースの頃には踏み固められて乗りやすくなっているだろうと感じた(実際そうだった).

 振り返ってみると,私はずいぶんタスク処理的な試走をしているようだ.私はこれを楽しんでしまう人種だが,記事を読んでくれているKUCCの方々は必ずしも真似しないでほしいと思う.ちなみにコースを記憶しようとn周した結果めっちゃ疲れた.

機材

eddy merckxのeeklo70をいつも通り.ステムをけっこう短くしているのは内緒.

木の根っこ等のパンク要因が少ないコースだったので,空気圧は低めにした.

会場入り~出走

 案の定寒く,防寒ウェアと大量のお湯を携えて会場へ.そもそもトレーニングしすぎていたのか試走をしすぎたのか,脚の裏全体が痛む.これじゃあかんわということで,少々ご無理を言ってSTOKED CYCLEにマッサージをお願いした.おかげでだいぶ楽になったが,やはり100%の状態でレースに出られるようにコンディションを整えるところは今後の大きな課題である.そしていつものように,白米2合とゆで卵2個を11時半までに摂取した.レースまで食後3時間という条件とカロリー摂取の両立を求めた結果こうなるが,まあお腹いっぱいである.

 昼試走は前日と変わったところをチェックする程度に走ればOKだと思っている.案の定例の難所は乗りやすくなっていた.また,前日試走でチューブラーをn本破壊していたキャンバーが撤去されたことで,そのセクションが易化していた.

 その後C2の応援.岡野には脊髄反射で「甘えんな!」と言ってしまうのだが,どっちかというとプラスの言葉をかけてあげたいと毎度思ってはいる.そうこうしているうちに時間がなくなり,ウォーミングアップが毎回適当になってしまう.BCAAを飲みながら適当にそこら辺をくるくる走っているが,体が温まっている感じは正直しないし,何かいい方法を確立したいところ.そして毎度のことだがBCAAを飲み干すのがけっこうしんどく,スタート前に3回くらいトイレに行っている.でもレースが終わったころには喉が渇いているから,水分補給も何かうまいやり方を見つけたいところである.60分レースともなればなおさらのこと,これは重要課題に据えないとな.

本番

 シクロクロスは速い人が必ずしも勝つ競技ではないと思っている.どんなに速くても,前の人を抜くことができなければ勝ち上がれない.逆にそんなに速くなくても,ちょっと頭を使って前に出れば意外と上に上がれる,まあ速いに越したことはないけど.重要なことは誰よりも早く加速を開始することと,他の人が減速するところでスピードを落とさないことだと思っている.

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ちょっと頭を使った例,たぶん1-2周目.これだけ詰まってると全体に遅くなりがちだから,ゆっくり上のラインで行っても抜ける.

 というわけで私の今回の作戦は,①登りセクションで抜く②キャンバーで抜く③シケインの後で速やかに飛び乗る,であった.PW(←)Rで私を上回る人はC1といえどそう多くはなさそうなので,登りで負けることは少ない.また,エリートのキャンバーは減速不可避なので,ランで上から抜いてしまえば前に出られる.前後に誰もいないなら乗車のほうが楽だが,それ以外は前が落車するor後ろに抜かれてラインを塞がれるリスクがかなり大きい.③については,直後のスラロームの減速を避けるためにクリートをはめる必要があった(が,そこまでしている人があまりいなかった).

 そんなことを考えつつスタートグリッドへ.ゼッケン番号も少しずつ上がってきたが,いつもの通りクリートがはまらずスタートで出遅れる.上位を保って突っ込めるようになりたいものである.1周目はみなさま健脚で,最初の登りで差をつけることができなかった.降車不可避砂利スラロームでも抜ききることはできず,そのまま2つ目の登りへ.このあたりで数人抜き去ることができたような気がする.その後のエリート難所はもちろん降車,隙間をぬって前に出る.1周目で乗車できた人はいるのだろうか.

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エリートキャンバーに乗車で突っ込んだ例.16番の選手が上手そうだったので乗車と判断したがミスだった.耐えて再加速できたものの,最初に降車しておけば差を広げられたはず.

 このあたりからだいぶ集中していたのだろう,記憶がないのだが,4周目くらいから自分が割と上位にいることを認識し始めた.調子に乗って飛ばしすぎて最後の下りで落車し(て,見ていた小さい子をこわがらせてしまっ)たが,それ以外はノーミスで徐々に順位を上げていった.作戦はかなりハマったと思う.こうやって試走で立てた作戦をレースで実行していくプロセスが,最近の私のシクロクロスの楽しみ方になっている.そして最終ラップの2つ目の登りで村田憲治さんの背中が見え,勝てるかもしれないと調子に乗る.例のキャンバーで勝負をかけたがあと一歩前に出られず(アタックのタイミングが遅かった!),最後の下り坂で引き離されてスプリントすらさせてもらえなかった.リザルトは7位(12%)と自己ベストだった.できたこととできなかったことがはっきりわかる,有意義なレースだったと思う.

その後

 ゴールした後にはゴール付近で駄弁っている人が多いのだが,私がそこの輪に加わることは少ない.社交性がないというわけではない(まあ実際ないかもしれない)のだが,さっさと上着を着て水を飲んでおにぎりを食べたいという一心で毎度そそくさと荷物置き場に向かってしまう.そしてのんびりおにぎりを食べたり,いつも応援してくれるBAGGY CYCLOCROSSの方々と話しているうちにキヌさんや加藤さんもゴールしてきて,北山杉レーシング内の話題にはいつも千切られている.

おわりに

 なぜこんなレースレポートを書いたのかというと,自分がレース前後で考えていることを言語化したかったから.思っているより頭を使っていたし,たぶんこれが楽しいんだろうと思う.私なりに考えていることを書いてみたので,ご意見コメント大歓迎です.次は最終戦堺浜,怪我なく終えられるようにがんばります.