北山杉レーシングのブログ

KUCCシクロクロスチーム「北山杉レーシング」のブログです

メモリアルCX レースレポート

すくみずログで褒められて調子に乗っている笛木16です.

メモリアルクロス(120分耐久ソロ)に参加してきました.

KUCC現役は私だけ,午後は川村さんとデュエットのレースになりました.

リザルト

 今回の目標は「川村さんに勝つ」だった.

 KUCC現役,耐久レースなら若さで押し切れるのではないか?と.

 結果は4スティントで1勝3敗,フィジカルの差を痛感した2位.合計で1分程度ついたタイム差はほとんど午前中のものだったので,ペーシングが今後の課題と言える.

 概要

 リザルトの補足のために簡単に記すと,今年(といってもその前を知らないが)のメモリアルクロス120分耐久は30分×4スティント.午前と午後に2本ずつ行われた.詳しい説明はすくみずログを参照されたい.

試走&朝の準備

 コースを覚えるのは難しくなく,前日試走は軽く流すにとどめた.

 当日試走はウォーミングアップを兼ねて4-5周ほど.前日までの雨も予想通りかなり乾いており,走りやすくなっていた.一方でコーナーは泥っぽくなっていて,速度コントロールが問われる感じだった.

 また今回は,数年前に(ツアーで)モンベルからサポートを頂いたソロテントを張ってみた.輪行袋を被って着替える必要もなくなり,風もしのげて非常にQOLが高かった.

第1スティント

 第1スティントだけは「勝手にシード」してもらって最前列からのスタート.初めて最前列で走った.川村さんとかストラーダの篁さんとか織田さんがグイグイ踏んでいって,貧脚の私はソッコー後ろへ.

 とはいえこれはいつもの展開,落ち着いて追いかける.ほどなくして川村さん,私,けーなかさん等でパックになった.ペースがわからなかったのか牽制し合っていたのか,ゆるゆる回して喋りながら走った.

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のんびり走る場面も多かった(これは第3スティント).photo by 野中ヒデトさん

 これでいいんか?うーん,午後で勝負すればいいかと思っていたら,川村さんが3周目くらいで抜け出す.追いかけるが,速い.ああ今日は勝てるかと思っていたけど無理か,フィジカルが違うわ,と.耐久なら勝てるとかそういうことじゃねンだわ,と.午後で勝負なんて甘っちょろいことを考えたのが浅はかだった.

 ここで(諦めて)練習モードに切り替えて,コーナリングやライン取りを意識しながら残りをこなす.ずっと2位だったが,最後ボケっと走ってたら織田さんに刺されて3着でフィニッシュ.終わってすぐウイダーを半分摂取.

第2スティント

 第1スティント後20-30分ですぐに第2スティント.ここからはスタート位置は早い者勝ちで,ゆっくり行ったらもうかなり埋まっていた.川村さんはさらにゆっくり来たようで,最後尾くらいのスタートだったらしい(後日談).ぜんぜん来ないのでDNFか??とか勝手に思っていたが,2周目くらいで爆速で追い付いてきてビビった.これが王者の余裕ってやつですかね.どう考えても遅い,親子シケインの低い方選んで跳んでたし.

 実は2周目の記憶はほとんどない.キャンバーセクションのライン取りを,川村さんを真似して斜めに変えたくらい.勝てないことがわかるとここまで萎えるのか.たぶん2着でゴール.終わってすぐにおにぎり1合とバナナ2本,プロテインクリーム玄米ブランウイダーの残りを摂取.

昼の空き時間

ラ・ムー観光.

第3スティント

 第2スティントが終わったのが10時半くらいで,13時に第3スティント.織田さんはスプリントにも出ていたようで,体力がすごい.

 実は第3スティントが一番楽しかった.川村さんの後ろについてずっと走っていた.この段階で累積タイム差は1分近くあってリザルトで勝てないのはわかっていたので,もうこれは楽しみにいくしかないだろうと.後先考えずに踏んでもいいし,失敗を恐れずひたすら彼のラインをトレースしてもよい.バイクの倒し方も真似してみた.ジオメトリも体重も違う以上真似してハマるわけでもないが,勉強にはなった.

 周回を重ねても意外と千切られず,30秒程度を残して7周目に突入.せっかくだからと勝負することを決意.ゴールスプリントにはなるだろう.引いてもらい続けるのも格好悪いので前に出...させてくれない.やっぱフィジカルの差がすごい.

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ちょっとしたコーナーとかでもじりじり離されるから,追い付くのに必死.


 後ろから様子を窺っていたところで,川村さんがスリップ.ギアをあと1枚落としておけば刺せた...が失敗.次はどこで刺そうかな,とずっと前を伺いながら,後ろで脚を温存する.川村さんは肩幅があるから,後ろはとても楽である.しかし川村さんは強いので,やっぱり前には出られない.シケイン後のうずまきセクションでちょっと離されて,踏み直し追いついて,ステップに差し掛かる.川村さんは跳べるが僕は降りるので,実は毎周回ここで差を広げられていた.しかしこのタイミングで,川村さんが前転落車(何があったんだろう).

 

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左端が川村さん.顔面デュクシの瞬間.


 あららと思いながら追い抜いて,そのままゴール.実力で勝ったわけでもなく,しかし観客はよくやったと言ってくれてしまうので,なんとも言えない気持ちであった.こういう下剋上が起こってしまうのも,シクロクロスという競技の性格なんでしょうか.結果はともかく,この駆け引きは本当に楽しかった.

第4スティント

 引いてもらってばかりでは格好悪いなあということで,序盤は私が前を引く.やっぱり前はしんどい.疲れが出てきたのか中盤で川村さんに前を許し,その後は数秒の差でずっと追いかける.途中何度も追いついたけど,そのたびにちょっとしたところ(シケインとかコーナーとか)で再度離される.終盤は8秒まで差を広げられ,2位でフィニッシュ.踏み直すフィジカルがなかっただけといえばそれまでだけど,細かいコーナーの速度域で差がついていたのもまた事実.

まとめ

 これで私の初シーズンは終了です.どっぷりCXの沼に引きずり込まれました.

 今回の川村さんに勝つという目標を達成したかと言われると,うーん,そもそも目標が間違っていましたね.フィジカルが違う.リザルトで仮に勝っても,たぶん全部引いてもらっていたはず.曰く「スマートトレーナーは換金性が高いから,適当に買っても大丈夫」だそうなので,バイト頑張ります.あと修論の進捗を夏の間に産んでおきます.

 ともあれ,今回はとてもいい練習になりました.あとは,けーなかさんとかいろんな人と話して仲良くなれたのが良かったと思っています.競技を突き詰めるだけじゃなくて,KUCC以外の人とたくさん関われるのもシクロクロスの魅力の一つでしょう.