北山杉レーシングのブログ

KUCCシクロクロスチーム「北山杉レーシング」のブログです

2021年シクロクロス全日本選手権@土浦 レースレポート

 シクロクロスを始めて早1年,全日本選手権に参加してきました.笛木16です.結果は40位,-2 Lapと完走には遠く及ばずでしたが,今あるものは全て使った結果です.京都の山で修行を積んで,来年こそ出直してきます.
 そして,遠くから応援&サポートに駆けつけてくれたみなさま.本当にありがとうございました.サポートがあったからこそ自分の体だけに集中して準備できて,応援のおかげでレース中は攻め続けられました.今あるものを全て使えたのはみなさんのおかげです.何とお礼を申し上げてよいやら.
 今回のレースレポートは,思うところが多すぎるので長文です.全日本選手権なのでお許しください.

緒言

 全日本選手権のフエキは,いつもの北山杉レーシングアマチュア選手ではなかった.
 わざわざ駆けつけてもらったピットスタッフ,整備してまで貸してもらったピットバイク,僕のタイムだけを測ってくれる友人,わざわざ新幹線で応援に来てくれた先輩.そして,機材や工具を(一部)提供してもらっている明雅屋.
 盤石なサポート体制のもと,中途半端な走りは許されない.結果の如何にかかわらず,フィジカルもテクニックも全部使いきってレースを終える.それが最低限の義務だった.
 だから,いつもは頑張らない前日試走も,レーススピードを意識して納得いくまで走った.「コンディションが変わる」のは事実だけど,加速と減速のポイントまで変わることは少ない.Cycleclub 3upの三上店長にもご指導いただいて,すべてのコーナーとシフトチェンジのポイント,適切なギアを覚えておいた.
 30位以内を目指してトレーニングをしてきたけれど,試走を終えて完走を狙いにいくことにした.思い返すとちょっと背伸びした目標だったが,現状維持は衰退の始まりである.

手法(機材)

フレーム Eddy merckx eeklo 70

ホイール i9ハブ+いいスポーク(?)+KINLINのリム

タイヤ Challenge grifo 前後1.6 bar

シューズ シマノXC7

インソール なかじきやカスタム

結果

 40位...コーナリングに苦しんだ.2 m前に見えていたはずの前の人が,コーナーを過ぎると5 mくらい離されている...を繰り返した結果.
 舗装だから重めのギア...と思って少し重すぎるギアに入れてしまい,スタートダッシュで出遅れる.するすると順位を下げて40位くらい.しかし後ろからまくるのは慣れているので,大丈夫だろ...うと思ったら抜くところが意外とない.というか抜くのに脚を使いすぎる.全日本だからだろうか,みんな速い.ちょっとペースを落としてついていく作戦に切り替えた.というのは,徹底して5分パワーを鍛えてきた以上,競技場セクションで脚を使ったあとであっても,V字キャンバーで降りて数人抜き,その後突き放せる自信があったから.作戦はハマり,一気に5人程度抜き去ってこの時点で30位前後.

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パックで走るならたまに後ろで休んだ方がいいんだろうか...
Photo by 高校の友人

 パックで小競り合いを繰り返しながら3周目?の芝→舗装路切り替わりでアタック...に失敗.後輪を滑らせて落車,パックから脱落.試走でもここ転ぶってわかってたのに...転ばないようにアタックしたつもりだったのに...しかしこれが今持てる精神的余裕だったということ.そしてその後もテクニカルなコーナーで精彩を欠いて一気に順位を落としたが,そんな私に森さんとサイモンさんがすんごい応援をしてくれた.この精神的なリカバリーが本当に大きくて,ここで追走モードに切り替えられた.「コーナーが下手なら直線で踏めばいいじゃない」とは有名な言葉だが,いつも通りその作戦を実行するのが今の自分にできる精いっぱい.競技場に入る舗装路で後続を振り切って,独走で前を追う.次第に集中力を取り戻して,関西の人たちの声援にもちゃんと返事をしながらペースを徐々に上げていく.このあたりは本当に楽しかった.応援に来てくれていた高校の友人に頼んでいたラップタイム計測とセルフ80 %判定を聞きながら,安全圏で残り2周回に入...ろうとしたころに前方から断続的な笛の音.集団落車でピットイン?あれ,足切りやん,なんで?...終戦.80 %以前に先頭のラップが迫っていたようだ.←後日追記;普通に計算方法が間違っていた.ちゃんとルールを意識してなかったのが悪い...

考察

・もう少し上に行きたい...と毎度言っているが,その失敗をしてしまうところを含めて今の実力ということ.

・サポートがいてくれると精神的な安定感が桁違い.

・「降りたほうが速い」は,「前に人がいたら」という前提を含んでいる.一人なら乗った方が楽なので,トータルで見て速い.ただしそれができるかどうかは別問題なので,山で修行を積む必要がある.

・あてぎきと後輪で曲がる感覚を強化する必要がある.

・ラップタイムを教えてくれる人がいるのは非常に大きい.

・顔を上げて前を見ながら走り,前に人がいるなら無駄な加速をしない.

・夏に徹底して5分パワーを鍛えるアプローチは悪くなかった.去年の体力ではもっと後ろにいたとは思う.しかし,これは「VO2max」と「VO2maxパワー(L5)」を混同した上での決断だったので間違っていた.そして,上位選手には完全にFTP負けしている.さらに,MTBの量を増やしてオフロード経験値も上げるべきだった.単一の目標を掲げるのではなく,複数の目標を立ててバランスよくトレーニングをするべきだった.

結言

 初めての全日本選手権.目標は達成できなかったし終わった後は悔しくて仕方なかったけれど,冷静に振り返ると後悔はほとんどない,学ぶところが多い良いレースだった.

 友人知人もたくさん来てくれて,そういう意味でもいい時間を過ごせたように思っている.

 関東のレースを走ると,Childrenとチェリーパイが恋しくなるものです.
 次戦は来週の関西CX信太山に出ます.

参考(周囲の人々の動向)

 キヌさんと加藤さんは18きっぷで会場入り,前夜も()していたそうだ.学生にふさわしいムーブはそっちだよな,と私もかなり迷ったが,前述のように言い訳の許されないレースだったので新幹線とホテルに課金した.QOLはとても高かった.
 岸くんはU23で頑張っていた.すんごく大きな飛行機用の輪行袋を使っていた.
 川村さんは速かった.今年こそ1回は勝つ!と意気込んでいたけれど,なかなか厳しそうだ...
 土曜にはコッシーさんがSSCXで優勝していた.輪行中にYoutubeで見ていたけれど,ちょっとウルっと来た.